酒屋の棚の前で、どれを選べばいいか分からなくなったことはありませんか。実は日本酒のラベルには、味を予想するためのヒントがいくつも書かれています。
この記事では「精米歩合」「日本酒度」「酸度」という3つの数字と、「純米」「吟醸」などの名称の読み方を、新潟の酒を例に解説します。
精米歩合 — 米をどれだけ磨いたか
精米歩合は、玄米を削って残った部分の割合です。「精米歩合60%」なら、米の外側40%を削り落として、中心の60%だけを使っているという意味です。数字が小さいほどよく磨いていることになります。
米の外側にはタンパク質や脂質が多く、これが雑味のもとになります。よく磨いた酒(精米歩合の数字が小さい酒)は、すっきりと香り高い傾向。
逆にあまり磨かない酒は、米の旨味やコクがしっかり残る傾向があります。磨けばいいというものではなく、造りたい味に合わせた設計の結果です。
日本酒度 — 甘口か、辛口か
日本酒度は、酒に含まれる糖分の多さを示す目安です。プラスに大きいほど辛口、マイナスに大きいほど甘口の傾向。「+5」あたりから辛口と呼ばれることが多く、新潟の淡麗辛口の酒には+5〜+10前後のものがよく見られます。
ただし日本酒度だけでは味は決まりません。同じ日本酒度でも、次の「酸度」との組み合わせで印象は大きく変わります。
酸度 — 味の輪郭をつくる
酸度は、酒に含まれる乳酸やコハク酸などの量の目安です。酸度が高いと味が引き締まって濃く感じられ、低いと軽く淡麗に感じられます。
「日本酒度が高く、酸度が低い」のが典型的な淡麗辛口で、新潟の酒に多い組み合わせです。なぜ新潟でこの酒質が育ったのかは「なぜ新潟の酒は「淡麗辛口」なのか」で詳しく書いています。
特定名称 — 純米・吟醸・本醸造
ラベルの「純米大吟醸」「特別本醸造」といった名称は、原料と精米歩合による分類です。ポイントは2つの軸で見ること。
- 「純米」と付くか — 付けば原料は米・米麹・水のみ。付かなければ醸造アルコールを少量加えています(すっきり軽くする伝統的な技法で、悪いものではありません)
- 「吟醸」「大吟醸」と付くか — 精米歩合60%以下が吟醸、50%以下が大吟醸。よく磨いて低温でじっくり発酵させた、香り重視の造りです
たとえば「純米大吟醸」は、米だけで造った、精米歩合50%以下の酒。「本醸造」は、醸造アルコールを加えた精米歩合70%以下の酒です。新潟では晩酌用の本醸造が今も広く愛されており、価格と味のバランスに優れた「実力派の普段酒」が多いのも特徴です。
新潟の酒でよくあるラベルの読み方・実例
新潟の酒販店でよく見かけるパターンを挙げます。
- 「淡麗辛口」と書かれた本醸造 — 日本酒度+5前後、すっきり飲み飽きしない食中酒。迷ったらまずこれ
- 精米歩合50%前後の純米大吟醸 — 香り華やか。冷やして、贈答や特別な日の一本に
- 精米歩合60%台の純米酒 — 米の旨味がしっかり。常温や燗でも楽しめます
ラベルが読めるようになったら、あとは実際に選ぶだけ。新潟の地酒専門酒屋には、話しながら選べる店主のいる店がたくさんあります。お土産選びなら「新潟の日本酒、お土産にするならこれ」も参考にどうぞ。