五百万石 とは|新潟生まれの酒米と山田錦・越淡麗の違いを解説

日本酒のラベルや酒屋の説明書きでよく見かける「五百万石(ごひゃくまんごく)」。実はこれ、新潟生まれの酒米です。新潟の酒がなぜ淡麗ですっきりしているのか——その答えの一つが、この米にあります。

五百万石は新潟生まれの酒米

五百万石は、新潟県の農業試験場で交配・育成された酒造好適米(酒造りのための米)です。1957年、新潟県の米の生産量が五百万石(約75万トン)を突破したことを記念してこの名が付けられました。

現在も北陸を中心に広く栽培されており、酒造好適米としては山田錦と並ぶ代表的な品種です。

「淡麗」をつくる米

五百万石で仕込んだ酒は、すっきりと軽快で、キレのある淡麗な酒質になりやすいと言われます。米の中心の心白(しんぱく)がはっきりしていて麹を造りやすい一方、粒がやや小さく砕けやすいため、精米歩合50%を切るような高精白には向きにくい米です。

だからこそ、香りを競う大吟醸よりも、毎晩の食卓に寄り添う「飲み飽きしない普段酒」で真価を発揮します。新潟の淡麗辛口と五百万石は、まさに相性の良い組み合わせなのです。

山田錦との違い

「酒米の王様」と呼ばれる山田錦は兵庫県生まれ。粒が大きく高精白に耐えるため、華やかな香りの大吟醸に向いています。ざっくり言えば——

どちらが上ということではなく、目指す酒質の違いです。新潟の蔵の多くは、地元の五百万石を使いながら、目的に応じて山田錦や新潟県が開発した「越淡麗(こしたんれい)」なども使い分けています。

越淡麗は五百万石と山田錦を親に持つ、高精白に耐える新潟の酒米。大吟醸クラスでよく見かけます。

ラベルでの見つけ方

裏ラベルの原料米の欄に「五百万石」「越淡麗」と書かれていることがあります。原料米の表記があったら、精米歩合と合わせて見てみてください。

数字の読み方は「ラベルが読めると、酒選びは楽しい」で解説しています。なぜ新潟で淡麗辛口が育ったのかを知りたい方は「なぜ新潟の酒は「淡麗辛口」なのか」もどうぞ。

知識を仕入れたら、あとは飲むだけ。新潟の地酒専門酒屋で「五百万石のすっきりしたやつ」と言ってみてください。話が早いはずです。

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